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自分で決める人~引退もコーチ就任も…ソフトボールを捨てない人の生き方・働き方 その1

自分で決める人~引退もコーチ就任も…ソフトボールを捨てない人の生き方・働き方 その2

ソフトボールを通じて様々な経験を積んできた山田さん。
山田さんが腐ることなく前を向き進むことが出来る理由は何なのか?
また、人間関係を構築する上で一番大事にしているものは何なのか?
今を生きる皆さんにとってもヒントになる内容が多いはずです!

(本記事はrolesに取材いただきました)

指導を通じてソフトボールに貢献していきたい

今國(以下 今):今後も機会があったら、指導をしていきたいとは思いますか。

山田(以下 山):指導を通じてソフトボールに貢献していきたい気持ちはあります。今一番やりたいのは、福岡の高校生の指導ですが、1つのチームじゃなくて、いろいろなチームを見たいなと思っています。

今:1つのチームではなく、全体的な底上げをしていきたいのでしょうか。

山:はい。いろんなチームに行くことで、“きっかけづくり”をしたいですね。

山田さんは覚悟をもって「やる」「やらない」を決めた

今:山田さんは、しこりを残さずに進んで来られているのが凄いなと思ってお話を聞いていたのですが、世の中にはモヤモヤを解消できないまま年をとっていっている人は意外と多いんですね。山田さんは、どうしてそうならなかったんだと、腐らなかったんだと思いますか。

山:自分で覚悟決めて「やる」「やらない」を判断してきたからだと思います。人に言われる前に自分で全て決めてきました。それが大きいと思います。

こう見えて、結構、頑固なところもありまして、あんまり周りに相談をしない性質です。人に話すときは、ある程度自分の中で決意を決めてからです

今:なるほど。理解が深まりました。山田さんは「人の所為」にしない方ですよね。

山:しません。人の言われたことに左右されたら後悔するんで。それに、自分で決めたら自分の責任ですよね。心が揺らいでいたらダメだなって言うのがあります。

やるって決めたら覚悟する。きつくても辛くても最後までやり抜く。自分で決めたことだから頑張れます。

自分の言葉には責任を持ちなさい。と指導の際も伝えます。それくらい覚悟を持ってやらないと、後悔もするでしょうし、腐る元にもなると思います。

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引退したのは「投げるイメージがわかなかった」から

ココネット本社受付前にて

今:引退の引き際に関しても潔いなと思います。

山:まだできる。来年は1部でプレイできるんだ。と思う自分もいました。だけど、投げている姿の自分のイメージができなかった。なので、「ここで辞める」と決意しました。

しかし、その前の年は違いました。試合に負けてバスで帰っている最中に「いや待てよ、こうしたら勝てたんじゃないか?そうか、こうしたら勝てたな」試合のシミュレーションで頭の中がいっぱいなわけです。これは覚悟してもう1年やるしかないな。覚悟決めて頑張ろうって思ったのが優勝した前の年です。そして翌年、優勝した後、「自分の心がどう動くかな?」と思っていましたが、先ほどお話ししたようにやりたい気持ちはあるけれど、投げているイメージができなかった。だから引退をしました。

今:ソフトボールを通じて多くの経験値を得て来られたと思います。ご自身ではどう実感されていますか。

山:ソフトボールを通してたくさんの指導者、仲間、会社の方、そして地域の方々に出会い、私自身、考え方が大きく変わってきました。 断言できるのは、応援し支えてきてくださる方がたくさんいたからこそ、今の私がいるということ。本当に感謝です。

今:現在の会社に、大垣ミナモの時の同僚を呼んだと伺いました。

山:はい。その頃ちょうど立ち上げたお店があったので、声を掛けたら来てくれました。

今:最近よく耳にするアスリートのセカンドキャリアですね。引退後のキャリアに関して悩む方は山田さんの周りにはいらっしゃいますか。

山:はい。多いです。地元を離れている人間も、基本的にはソフトボールで来ているんで、引退したら帰りたいという人が大半なんです。結婚した人は別ですけど。その人たちが地元に帰れない理由の一つが「仕事がない」ということ。大きな原因だと思っています。ココネットは全国規模で勤務地があるので私は恵まれていたと思います。先ほどお話ししたように、スポーツに対する理解もありますから。絶対にやりたいことがあるというのであれば別ですが、何をもってしてもまず「地元に帰りたい」という方であれば、うちの会社を勧めています(笑)。

コミュニケーションと人間関係の重要性

今:今後はココネットでどんな仕事をしていきたいですか。

山:ハーティストの皆さんともっとコミュニケーションをとっていって、やる気やモチベーションを上げていきたいです。もっと頑張るぞという気持ちを持ってもらうために、皆の要望や細かい部分をちゃんとかたちにしていって、信頼関係に繋げていきたいです。こいつがいうなら仕方ないな。手伝ってやるよ。と思ってもらったうえで「みんなと一緒に」やりたいですね。そのためにも、直接のコミュニケーションをとる機会を強めていきたいです。人間関係は大事です。

今:人間関係において大事にしていらっしゃることはありますか。

山:私が大事にしているのは“存在意義”です。それがあるとやっぱり人は嬉しいし、やる気が出る。もっと意欲も湧いてくると思うんです。

組織において自分の存在意義を感じることができない人は、いずれ腐っていくと思うんですよね。そのためにも、もっと、現場に入ってまずは自分が仕事を覚えたい。今はまだそこまでできていないというのが現状なので。

今:人間関係を築く上で、根幹になる部分ですね。山田さんの今後の夢はなんですか。

山:結婚がしたいです(笑)。仕事もやりたいし、ソフトボールにも関わっていたい。他の球技もやりたいし、親孝行もしたいです。

 

自由の裏には責任があることを、高い経験値を以って自分ごととして語ることが出来る山田さんは、自分自身を信頼出来ている方。だからこそ、腐らないし迷わないしカッコつけない。こういう方は本当に強いです。
覚悟を持ってやるやらないと決めてきたと語っていた山田さんは、「夢」や「目標」についても安易に口に出さないと話していました。成功するために一番大事なものは「胆力」であることを改めて実感させられた瞬間でした。