各地では梅雨入りし、どんどん暑くなってきていますね。梅雨が明けると本格的な夏の暑さ到来です。

猛暑の日は「熱中症」の危険があります。詳しくは過去の投稿をご覧ください。

今回は熱中症には欠かせない、「熱中症対策におすすめの”飲み物”」ついてご紹介です。

水分補給をしましょう

生命を維持していくために必要な水分量は、1日2.5リットル

一般的に、人が生命を維持していくために一日に必要とする水分は、2.5リットルと言われています。(※成人男性が通常の生活をしている場合。スポーツや暑さなどの発汗の条件により必要な水分の量が異なります。)

0.9リットルを食品自体の水分と調理水、0.3リットルは体内の酸化燃焼から得ており、残り1.3リットルを飲み物から摂取しています。

一方、排出する水分は尿で約1.5リットル、呼気や汗で皮膚から失われる不感蒸泄で約0.9リットル、便は約0.1リットルで、夏場は汗をかく分意識して水分の摂取を心がける必要があります。
汗の99%は水分ですが、その中に微量なミネラル類も含まれています。 その中で最も量が多いのはナトリウムで、熱中症が疑われる時の対策として、水分と一緒に塩分も補給することが重要です。

飲み物100mℓあたり食塩相当量0.1~0.2gを推奨

作業中における定期的な水分及び塩分の摂取については、身体作業強度等に応じて必要な摂取量等は異なるが、作業場所のWBGT値がWBGT基準値を超える場合には、少なくとも、0.1~0.2%の食塩水、ナトリウム40~80mg/100mℓのスポーツドリンク又は経口補水液等を、20~30分ごとにカップ1~2杯程度を摂取することが望ましいとされています。

出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei33/

暑さ指数(WBGT)とは?

暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。

単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。 暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。

飲み物別:熱中症対策

経口補水液:◎

すでに脱水状態がみられる場合、水分補給に適しているのは経口補水液です。

経口補水液は、水にナトリウムなどのミネラルとブドウ糖を一定の割合で配合した飲料です。 体液とほぼ同じ浸透圧のため、吸収率・吸収速度が非常に高く、「飲む点滴」とも呼ばれています。 スポーツドリンクに比べて糖分が少なく塩分が多く含まれています。塩分濃度が高いので、普段の水分補給には適していませんが、 暑さや発熱などで大量に汗をかいた時や、下痢や嘔吐による脱水症状が出たときの水分補給には、経口補水液が適しています。

経口補水液を一時に大量に飲むと、ナトリウムの過剰摂取になる可能性もありますので、腎臓・心臓等の疾患の治療中で医師に水分の摂取について指示されている場合は、指示に従ってください。

スポーツドリンク:○

スポーツドリンクは、運動や日常生活などでの発汗によって体から失われた水分やミネラルを、効率良く補給できる清涼飲料水です。 砂糖や果糖などの糖類に、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルが含まれています。 炎天下での長時間の運動や作業により汗を大量にかくと、体内の水分とともに塩分やミネラルも奪われてしまいます。 その時に水だけを飲んだのでは、体液中の塩分濃度が下がってしまい、身体が摂取した水を吸収できずにそのまま尿として排出してしまい、水分補給ができません。

スポーツドリンクは、運動で溜まる乳酸の分解や回復に効果的なクエン酸や、糖分を多量に含んでいるので、水分と塩分を補給できるだけでなく、疲労回復にも効果的です。

ただし、スポーツドリンクには、500ミリリットルのペットボトル1本中、30グラム以上の糖分が含まれているものもあるので、のどが乾いたからと言って、麦茶がわりにスポーツドリンクをダラダラと飲み続けていると、糖の過剰摂取による肥満や虫歯になる危険性があります。 また、酸性度の強い飲料なので、酸で歯のエナメル質の表面が溶ける可能性もありますので注意が必要です。

市販のスポーツドリンクには多くの種類がありますが、大きく「アイソトニック」「ハイポトニック」の2種類に分けられます。

アイソトニック(等張液)とは、安静時の体液と同じ濃度や浸透圧で作られている飲み物のことです。体液と同程度の濃度ですから、飲むことで水分や塩分をバランスよく摂取することができます。しかし、発汗によって体液が薄くなっていると吸収速度が落ちるので、アイソトニックのスポーツドリンクは、普段の水分補給や作業前の摂取が効果的です。糖質が多く含まれていてるので、長時間の運動のエネルギー源になります。

対するハイポトニック(低張液)は、アイソトニックよりも塩分や浸透圧が低めに作られています。運動中や運動後は体液が薄くなっているため、ハイポトニックのスポーツドリンクによる水分補給が効率的です。

「経口補水液」も、浸透圧が低めに設定されていますのでハイポトニック飲料の部類にあたります。

アイソトニック飲料として販売されているものでも、薄めることでハイポトニック飲料として運動中や運動後に有効な飲み物になります。

冷たい味噌汁:◎

塩分・水分補給と体を冷やす役割があるので、熱中症対策にはおすすめです。

麦茶:△

ノンカフェインでミネラルをわずかに含んでいるものの、塩分がないので現場作業には適しません。

しかしながら、ひとつまみの塩を加えることで熱中症対策に適した麦茶を作ることができます。

コーヒー・お茶:×

利尿作用を持つ成分としてカフェインが知られています。そのため、カフェインを含むコーヒーやお茶類も熱中症対策には適していません。

甘いジュース:△

糖類が多く含まれているため、急性の糖尿病(ペットボトル症候群)を招く可能性もあります。甘いジュース類も熱中症対策には向いていないため、ジュースやコーラ等の清涼飲料水を過剰摂取することは避けましょう。

牛乳:×

牛乳は体温を上げて発汗を促す作用があることから、熱中症対策の水分補給には向いていないとされています。

お酒:××

アルコールは利尿作用があり、お酒で摂取した水分以上に尿として水分が排出されてしまいます。

体内でアルコールを分解するにも水分を必要とするため、お酒を飲んでも水分補給にはなりません。

番外編:熱中症対策におすすめの食べ物

梅干し

・塩分とミネラル(ナトリウムやカリウムなど)が含まれている
・クエン酸に疲労回復効果がある

西瓜(すいか)

・90%水分 カリウムが豊富
・塩をかけて食べることで塩分摂取
・種のビタミンB1・B2は夏バテに効果

バナナ

・体内吸収速度の異なる各種糖質がバランスよく含まれ、エネルギー補給が長時間持続する

・カリウムが豊富
・塩をかけて食べることで塩分摂取

いかがでしたでしょうか?

外出する時だけでなく、在宅していても熱中症になる可能性はあります。定期的に水分補給をする習慣を身につけましょう!

次回は経口補水液の作り方をご紹介します。ぜひ見てくださいね♪

ココちゃん

ココちゃん

ココネットでお届けをしているハーティスト。
お客様とお話しするのが大好きで
色々調べて物知り。